これまで歯周病は、単なる口の中だけの病気と考えられていました。ところが、最近『歯周炎を放置すれば、様々な全身疾患を進行させ、生命に影響を与える』ことが、アメリカの大々的な疫学調査で明らかにされました。
歯周病が進行すると、深い歯周ポケットが形成され、歯周病細菌が増殖しています。これら細菌は歯周組織の毛細血管から血液にのって全身へ飛散し、様々な臓器や器官に侵入していきます。その結果、
図2に示すように、歯周病は肺炎、糖尿病、心臓血管疾患、低体重児出産、および消化器系疾患などを引き起こす可能性が高くなる危険因子となるのです。また、反対に、歯周病を治すと、全身疾患も改善する可能性があるのです。特に、糖尿病においては、歯周病を治すと血糖コントロールの改善につながることが明らかにされています。
つまり、歯周病は口だけでなく全身にも影響を与える、とても怖い病気なのです。
|